GPSの行動監視はストーカー行為に当たらない?
浮気調査には欠かすことのできない存在となったGPSですが、GPSの取り扱いには注意が必要です。しかしながら、意外なことに、浮気調査でGPS装置を使用すること自体には「違法性」はありません。
注意が必要な点を簡単に説明すると、「車へのGPS発信機取り付け」のために他人の居住地への不法侵入、「携帯電話にGPSアプリを仕込む」ために、無断でロックを解除して操作する行為やプライバシー権の侵害などです。
以上の行為は、場合にも寄りますが、夫婦間であれば、それほど大きな問題にはならないのが現状です。
それでは、夫婦関係なく他人の車にGPSを仕込み、他人(対象者)の行動を監視する行為は、ストーカー行為の見張りに当たらないのでしょうか?
2020年7月に、最高裁でストーカーがGPSで居場所を追跡することが「見張り」に当たるかを初判断しましたので、以下の記事をご紹介いたします。
ストーカーがGPSで居場所を追跡しても「見張り」に当たらず(最高裁が初判断)
元交際相手らの車に無断で衛星利用測位システム(GPS)を取り付けて居場所を知ることが、ストーカー規制法が禁じる「見張り」に当たるかどうかが争われた2つの事件の上告審判決で、最高裁第1小法廷は30日(2020年7月)、「見張りに当たらない」との初判断を示した。裁判官5人全員一致の意見。
見張り認めた地裁判決、高裁で破棄
事件の1つは、長崎県の男(53)が2016~17年、元交際相手の車にGPS機器を取り付け、パソコンや携帯電話で位置情報を約600回確認したとするもの。
1審佐賀地裁は、「車自体を相手が普段いる場所とみなして見張りに当たる」と判断し、懲役6月を言い渡した。
2審福岡高裁は、「視覚で直接見る行為がなければ見張りに当たらない」として、1審判決を破棄して審理を地裁に差し戻した。
もう1つの事件では、福岡高裁が見張りを認めた1審福岡地裁判決を破棄し、被告が元妻を実際に近くで監視したストーカー行為だけを有罪としていた。
被害女性「信じられない」と絶句
GPSを使った行動監視は、ストーカー規制法の「見張り」には当たらないとする最高裁判決に、元交際相手から車にGPSを取り付けられた経験のある女性は、「信じられない」と絶句した。
識者はGPSでの監視も規制できるよう、法改正すべきだと指摘する。
「もしかして私、見張られているのかしら」。関東地方に住む40代の女性会社員は数年前、元交際相手と何度も街中で鉢合わせすることに違和感を抱いていた。あるときはスーパー、あるときは路上。「偶然だね」と声をかけられたこともあった。
「気味が悪い」と思いながら1年が過ぎたころ、車で外出したときに顔を合わせるケースが多いことに気づいた。車を確かめると、バンパーの裏にテープでグルグル巻きにされた謎の四角い物体が。GPS端末だった。
警察は捜査に乗り出し、女性の近くに現れないよう、ストーカー規制法に基づく禁止命令を出した。
被害は収まったが、「今もあの人と同じ型の車を見かけると背筋が凍る。この苦しみはきっと一生続くと思う」とつぶやく。今回の最高裁判決を「市民感覚とかけ離れている。居場所を把握されているのに、見張りではないというのは納得できない」と残念がった。
検察側は上告審で、2014年9月~18年11月、GPSを使った見張りを同法違反罪で39件立件し、今回の2件を除く37件では罰金刑や懲役刑が確定していることを明らかにしている。識者「早急に法改正を」
甲南大法科大学院の園田寿教授(刑事法)は「GPSによる監視は実質的には見張りそのもの。社会の実態に法律が追いついていないことが、最高裁判決で明らかになった。被害者の不安を取り除くためにも、早急に法改正すべきだ」と指摘した。(小野沢健太)
引用:東京新聞
ストーカーのGPS対策は当探偵社まで
以上の判例のように、ストーカーがGPSで行動を監視する行為を「ストーカーの見張り行為」として取り締まることは難しいです。
そのため、当探偵社では、ご相談者様の車にGPSが取り付けられていないかを確認し、発見次第、GPSを取り外しにくる対象者を撮影し、被害の証拠収集と加害者の特定を行っています。
ストーカー被害にお悩みの方がございましたら、当探偵社までお気軽にご相談ください。